不動産に詳しい中堅税理士に、相続税申告を依頼するメリットとは?

IMG_7986-1.jpg

税理士 石橋將年(いしばしまさとし)

当事務所では、インターネットからのご相談やご依頼が多いのが特徴です。

ところで、相続税の申告が終わり、私(税理士:石橋)の方から最後に、お客様にお聞きすることがあります。

それは、

「なぜ、当事務所にご依頼頂いたのですか?」

ということです。

皆様のご意見は様々ですが、つぎのようなご意見を頂戴することが多いです。

  • 他の税理士よりも不動産や相続に詳しそうだったから
  • 親切・親身に相談に乗ってくれそうだったから
  • 経験談が一杯掲載されていて経験豊富そうだった
  • 若いので、次の相続のことも相談できそうだったから
  • 優しそうだったから
  • インターネット検索で上位に表示されたから
  • ホームページの作りが良かったから

どれも、大変ありがたい理由です。
これらのご意見を私なりにまとめますと、つぎのような点でお選び頂けたのかなと思っています。

  • 不動産に「本当に」詳しいこと
  • 中堅税理士(40代前半~50代前半)であること
  • 個人で開業している税理士であること

相続税申告をお願いできる税理士を探している。できれば良い税理士に相続税申告をお願いしたい。
この記事が、相続税の税理士を探されている方にとって、有益な記事になればと思います。
参考にされてみてください。

 

不動産に「本当に」詳しいとは、どのような意味か?

31da9e3caff6404497f53a6b0cce66a8_s.jpg

私が、不動産に「本当に」詳しい税理士、という言葉を定義するなら、つぎのようになるでしょう。

  1. 不動産の評価に詳しいこと
  2. 不動産売買の現場に複数回立ち会っていること
  3. 売却した際の税金にも詳しいこと

(1)不動産の評価に詳しいこと

相続税を計算する際は、全ての財産を数字(日本円)に引き直して計算します。
(これを、「財産評価」といいます)

預金であれば、1千万円は1千万円になるので、何ら難しい問題はありません。

 名義預金という論点がありますが、ここでは省略します。

ですが、土地の場合、こうはいきません。

土地は、原則として「路線価×面線」で計算します。

路線価とは、税務署が、
「この道路に面している土地は、1㎡あたり30万円で計算するように」
という、税務署が決めた金額です。

ですので、(実際の売買金額ではなく)、この路線価というものを使って土地を評価するんですね。

ですが、計算方法を色々と工夫すると、この土地の金額を下げることができるんですね。
(一番大きいのが「広大地(こうだいち)」というものです)

税理士がこの計算方法を身につけるためには、膨大な時間と手間がかかります。
ですので、不動産を正しく評価できる税理士は、本当に少ないんですね。
不動産の評価に詳しいこと。これが、相続税を担当する税理士にとって、必須条件になるでしょう。

(2)不動産売買の現場に複数回立ち会っていること

479d696980b267fccb2dde4fe26d3e74_s.jpg

相続が起きると、多くの場合で不動産の売買がおきます。

例えば、高齢のご主人が亡くなり、相続人が奥様とお子様お一人だけだとしましょうか。

奥様もご高齢のはずですから、ご自宅を売却して老人ホームに入られるかもしれません。
そうすると、入居費用を工面するために、ご自宅をできるだけ高く売りたい、とお思いになるでしょう。

このような場合、親身で真面目な不動産業者にお願いする必要があります。

 場合によっては、税理士がお客様と一緒に、不動産業者への面談に同席することも必要かもしれません。

というのも、(言葉は大変悪いんですが)、不動産業者の多くが「悪い人」だからです。

そもそも、不動産業者の取引を規制している法律(宅建業法)が、不動産業者が「悪(あく)」との前提で作られています。

私には、苦い経験があります。
(守秘義務の関係で、若干数字や事実を変えています)

以前、お客様が、とある事情で不動産をお売りになることがありました。
その土地には建物が建っていて、土地面積は約80坪。
2件の不動産業者が、買いたいとの意向を示してきました。

お客様の要望で、私も交渉に立ち会いました。
また、お客様からは、
「詳細は石橋先生が聞いておいてください」
とのご要望を頂きました。

 そこまでご信頼頂けて、大変光栄なのですが・・・。

それぞれの買取業者の条件をまとめると、次のようになりました。

  • A社(上場企業)
    2億円で買い取る
    土壌調査を行う
  • B社(中堅の不動産業者)
    1億8千万円で買い取る
    土壌調査は行わない

A社は土壌調査を行うとのことでした。
というのも、その土地は、土壌汚染が疑われる地域であり、A社は建物を壊してマンションを建てたいからとのことでした。

これに対しB社は、建物はそのまま使うので、土壌調査は必要ないとのことでした。
ですが、買取価格がA社より2千万円ほど安いのです。

売主、買主、それぞれに仲介業者がつきました。
そして、ある仲介業者の提案で、両者を競わせることになったんです。

ある日、A社の担当者が
「石橋先生。土壌調査は必要ありません!ですので、買取価格が高いウチ(A社)に即決するよう、売主様に伝えてください!」
との連絡をしてきました。

ですが、その担当者に詳しい説明を求めたところ、「土壌調査をしないで良い」、との書類を持ってきていませんでした。
A社のような上場企業の場合、そのような大きな決定をしたのであれば、必ず上司の決裁書類があるはずなんですね。

私がそのことをA社担当者に指摘したところ、
「上司の許可はとれています!」
との一点張りでした。

私はお客様にそのことを伝えました。
お客様も不信感を抱かれ、
「価格は安いが信頼できそうなB社に売却しよう」
という流れになりました。

私は、仲介業者さんと一緒に、その旨をA社の担当者に伝えました。
A社の担当者は「納得がいきません!」と言い、石橋先生に説明に伺いたいと、ずっと繰り返して言っておりました。

それから数時間後。
いきなり、私の事務所のインターホンがなりました。
A社の担当者が約束なく、いきなり当事務所に来訪してきたのでした。

「石橋先生!私どもの真意が、石橋先生や売主様に、正しく伝わっておりますか?是非、ご説明させてください!」

私も、
「いきなり来られても困ります。今、来客中ですから(本当は誰も来ていませでしたが)お帰りください」
とお伝えすると、

「では、入口で待たせて頂きます!」
となりました・・・。

窓からのぞくと、確かに1階のビル入口で、A社担当者が待っています。

私も心配になり、仲介に入っている不動産業者に、見回りをお願いしました(^_^)
その甲斐あって?無事にお帰り頂きましたが・・・。

後日、仲介業者に色々とお聞きしました。
すると、たまにあるらしいのですが、2社で競っているときに、とりあえず嘘の条件で自分達に決めさせてしまい(つまり、B社を交渉のテーブルから下ろさせ)、後はじっくり料理(徐々に条件をつり上げていく)することがあるんだそうです。
幸い、私がA社書類の不自然な点に気づいたので良かったのですが、もし価格だけで決めていたら、そのようなA社ですから、とんでもないことになっていたかもしれません。

相続後にご自宅を売却し、遺された奥様は老人ホームに入られる。
そうすると、本当は、そのご近所様のことなんか、本当は関係ありません。
ですが、変な不動産業者に買い取られ、乱暴な開発をされると、今まで仲良かったご近所様が迷惑されるかもしれません。

ですので、ご自宅を売却されるのであれば、

  • 真面目そうな不動産業者なのか?
  • 説明に不自然な点はないか?

といったことを、ある程度、見抜く必要があるんですね。

これは、複数回、売買の立会やアドバイスを経験していませんと、できません。
(ですが、殆どの税理士は、1度も、お客様の売買に立ち会ったことはないと思います)

相続後に不動産を売却することを予定されている方は、そこまで相談できる税理士を選ぶべきでしょう。

(3)売却した際の税金にも詳しいこと

8888tax.jpg

不動産には、色々な税金がかかります。

 不動産を売却した際の税金は、個人が不動産を売却した際は、どのような税金がかかりますか?という記事が参考になります。

相続後に不動産を売却した場合、売却益が出ているのならば、

「譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)」

という税金がかかります。

また、住んでいる不動産を売却した場合は、「居住用財産の譲渡所得の特例」といった、税金が安くなる特例を受けられるかもしれません。

相続税を扱う税理士が、相続税に詳しいことは当たり前です。
ですが、相続後の税金(例えば売却等)にも詳しくなければ、お客様に適切なアドバイスを差し上げることができませんね。

不動産に「本当に」詳しい税理士とは、これらの知識や経験を身につけた税理士であるべきだと思います。

 

中堅税理士(40代前半~50代前半)であること

29898c1b293e574b972e09b2f2ceb634_s.jpg

事業や会社をされておらず、税理士にお会いするのが初めての方は、次の理由で、中堅税理士(40代前半~50代前半)にお願いするのが良いと思います。

(1)親切・親身(である可能性が高い)

これは一般論になるのですが、難しい資格のお仕事(弁護士・司法書士・税理士)で高齢の先生は、経験は多数お持ちだと思います。
(もちろん、そうでない方も多くいらっしゃいますが・・・)

ですが、敷居が高い方が多いように感じられます。

皆さん、悩み(例えば相続税申告)があって、専門家に相談に来るんです。
そんなときに、難しい顔で、厳しい口調で対応されたら、色々と相談できませんよね?

私には、同年代(40代前半)の弁護士・税理士の知人が多くいますが、それくらいの世代の方ですと、皆さん、サービス業という意識を持っていらっしゃるので、そのあたりは大丈夫だと思います。

 ですが、若くてもキツイ方はいらっしゃいます。結局は、その人の性格なのかもしれませんね・・・。

(2)知識・経験を備えている世代であること

相続税は難しく、知識・経験の習得に、かなりの時間がかかります。

ですので、20代~30代の税理士に依頼するのは、私であれば、ちょっと躊躇(ちゅうちょ)します。

また、相続税の相談は、税金だけでなく、その他の色々な人間問題(家族関係の問題、同居の問題等)が絡んでくることが多いんですが、このあたりを相談するにも、20代~30代の税理士には、人生経験が不足していると言えるかもしれません。

(3)メール等の最新の情報を扱える

高齢の先生ですと、いまだにメールが使えないという先生もいらっしゃいます。

IT(アイティー)時代ですから、私がお客様に資料を請求すると、ご高齢(70代後半)なのに、PDFファイルをメール添付にてお送り頂くお客様もいらっしゃいます。
ですので、相続税を扱う税理士にとって、最低限のパソコンやスマホの知識は必須です。

また、高齢の先生ですと、いまだに、税務署に提出する書類を、手書きで作成される方もいらっしゃいます。
これは、(個人的な意見ですが)税務署の心象が良くないと思っています。
「パソコンを使えないのでは、どこか数字が間違っているのでは?」
と思われるかもしれませんので。

 

個人で開業している税理士であること

これが、個人的には一番大切であると思っています。

インターネットで相続税の税理士を検索すると、大規模な税理士事務所が多数でてきます。

大手ですと、均質化したサービスを行ってくれるはずですので、ぞんざいな対応をされることは、あまりないでしょう。

ですが、致命的な弱点?があります。それは、

「数年したら、担当者が退職しているかもしれない」

ということです。

相続税申告で、担当者が変わった場合、つぎのようなリスクがあると思います。

  • 当初担当者と税務調査での担当者が違う
  • 数年後に相続が起きた場合、また一から説明しなければならない

相続税の税務調査は、相続税申告書を提出してから1年後~2年後に来る可能性が高いです。
万が一、税務署が調査に来たときに、最初に担当してくれた社員が退職していた場合は、どうなるんでしょうか?

普通の会社ですと、きちんと引き継ぎをしているはずなんですが、大手ですと、突然退社が決まることも良くあって、きちんと引き継ぎをしていないことも多いんですね。

 大手税理士事務所ですと、一概には言えませんが、数年間で退職してしまうことが良くあります。特に、仕事ができる人ほど早く退職してしまいます。

そのような場合は、お客様も
「担当者が変わっても、私たちが一番最初に説明したことを、きちんと税務署に説明してくれるかな?」
ということで、不安になるでしょう。

また、一度、相続をお願いした場合、その数年後の相続もお願いすることがあるでしょう。
ですが、大手の税理士事務所ですと、数年ごとに社員が入れ替わります。
(この業界では、3年いればベテランと言われてしまうんですね・・・)
そうなると、困ってしまいますね。

ですので、相続税申告は、個人で開業している税理士にお願いするのが良いのではないか?
個人的には、そう思っています。

 

以上、私が考える、相続税についての税理士選びについて、ご説明してきました。

私が思うには、良さそうな税理士先生を見つけたら、お電話して、気軽に話しを聞きに行けば良いと思います。

インターネットでホームページを掲載している事務所の多くは、
「初回30分~1時間の相談無料」
と、うたっていると思いますので。

そして、「自分の話しを、じっくりと聞いてくれる」税理士事務所にお願いするのが良いと思います。

ぜひ、皆さんにとって、よい税理士先生が見つかることを、お祈り申し上げます。

 

※本記事に関するご質問には、お応えしておりません。予めご了承ください。