相続税のお手続きの流れ

相続税のお手続きの流れ図

1.ご逝去(相続の開始)

お亡くなりになった日から相続が開始致します。法律で「相続開始日から~月以内」と期限が定められているものは、このお亡くなりになった日を起算日とします。

2.遺言書有無のご確認

被相続人様がお亡くなりになった場合、まず遺言書の有無を確認する必要がございます。遺言書にはいくつか種類がありますが、通常は①自筆証書遺言か②公正証書遺言のいずれかです

  • 自筆遺言証書

    被相続人様がご自分で書かれた遺言書のことです。ご自宅の引出しや金庫等に保管されているかもしれませんので、ご確認ください。封筒に入って封印がされている場合には、家庭裁判所にて検認手続(遺言書の改ざんを防ぎ、保存を確実にするための手続)を踏む必要がありますので、開けないようして下さい。

    なお、封印がされていない場合も上記理由により原則として検認手続が必要となります。

  • 公正証書遺言

    お亡くなりになる前に公証人役場にて公証人立ち会いのもと作成する遺言書です。

    こちらは作成時に公証人のチェックが入り、書類も公証人役場に保存されており改ざんのおそれもないため、家庭裁判所への検認手続は不要となります。

    ただし、死亡後に公証人役場から自動的に連絡が来るわけではないため、公正証書遺言をつくられているかどうかは、最寄りの公証人役場で、相続人様自身がご確認ください。

3.遺留分の確認

「妻にすべての遺産を相続させる」旨の遺言書が発見され、妻もそれを望んだ場合、残された子どもたちは、財産を一切もらえないのでしょうか。民法では遺留分を定め、最低限相続できる遺産額を定めております。

遺留分について

この遺留分で定められた遺産額を、最低限必ず相続しなければならないということではありません。

相続人皆様の合意が得られれば、「妻が全ての遺産を相続する」「子供達だけで全ての遺産を相続する」といった、遺言書通りの遺産分割も、もちろん可能です。

また、妻と子の話し合いがつかない場合等は、相続開始日から1年以内であれば、子は妻に対し遺留分の減殺請求(相続財産の最低分を取り戻すこと)が可能です。

4.相続人(財産を相続する方)の確定

戸籍謄本等を取り寄せ、相続人を確認します。通常の相続ですと、亡くなった被相続人様の配偶者様やお子様が相続人になります。ただし、お身内で認識している方以外の方が戸籍に記載されていることもございます。確認は税理士や司法書士にお任せすることをおすすめ致します。

また、相続人以外の方(例えば長男の奥様)に遺産を相続させたい場合は、遺言書等によって遺産を相続(遺贈)させる旨を指定しなければ、相続ができないこととなります。

5.相続の放棄・限定承認の検討

相続の放棄は、相続人の方が「遺産を引き継がない」と家庭裁判所に届け出ることによって成立します。期限は亡くなった日から原則として3ヶ月以内です。

また、限定承認とは「プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからないので、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も相続します」というお手続きです。これも原則3ヶ月以内に家庭裁判所に届け出ます。

上記2つの手続をしなければ、亡くなった被相続人様の遺産を相続人様がすべて引き継ぐことになります(これを単純承認といいます)。通常はこのケースに該当する方が多いかと思います。

6.所得税の準確定申告書提出・納付

被相続人様に給与収入や不動産収入があった場合は、その年1月1日から亡くなった日までの収入・費用を集計し、確定申告をする必要があります。この確定申告を準確定申告とよびますが、期限はお亡くなりになった日から4ヶ月以内となります。

7.相続税の概算額計算

まずは相続税がかかるのか、かからないのかを判定する必要があります。相続税の基礎控除枠は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となっております。

よって、相続人が妻、長男、長女の3人の場合は

「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」

となり、遺産が4,800万円までであれば、相続税はかからないことになります。

上記の基礎控除枠を超えそうな場合は、専門家にご相談される方がよろしいかと思います。具体的には、税理士に遺産の状況を伝え、とりあえずの概算額を算出してもらうのです。この遺産の金額、税金の金額を叩き台として、相続人の皆様で相談(遺産分割協議)されることになります。 

8.遺産分割協議の開始

相続人の皆様で、亡くなった被相続人様の遺産をどのように分けるかを話し合います。開く時期は様々ですが、早い方ですと四十九日明けに始められる方もいらっしゃいます。

この「誰」が「どの遺産」を「相続」するかを決めないと、相続税の詳細な計算は始められません。

なぜなら、一定の条件で土地評価を減額できる「小規模宅地等の特例」や、残された配偶者様の税金を軽減できる「配偶者に対する相続税額の軽減」といった制度は、遺産分割協議が終了している(誰がどの財産を相続するかが決まっている)ことが条件となるからです。

分割の流れは、以下のとおりです。

(1)遺言書がある場合遺言書に従う場合 遺言書どおりに相続
遺言書に記載のない
財産がある場合
相続人全員の同意により決定
遺言書に従わない場合 相続人と受遺者全員の同意により変更して決定
(2)遺言書がない場合 相続人全員の同意により決定

9.遺産分割協議の終了(遺産分割協議書の作成)

相続人様同士のお話し合いにより遺産分割がまとまりましたら、その結果を書面にする必要があります。この「誰」が「どの財産」を「相続する」かを記載した書面が「遺産分割協議書」です。

この遺産分割協議書は、通常は同内容のものを相続人様の人数分用意し、すべてに署名押印していただきます。その後に相続人様それぞれが保管します。この書面は遺産分割協議の内容を証明する書類のため、大切に保管ください。

また、この遺産分割協議書は相続手続きにおいても重要です。遺産の名義変更、相続税申告書への添付等、様々な場面で使用致します。そのため、作成する際は税理士や司法書士等に相談されることをお勧めいたします。

10.相続税の詳細計算

詳しくは「相続税の計算について」をご覧ください。

相続税の計算は、仕組み自体は比較的簡単ですが、正確な税額を計算するのは一般の方には、大変難しいかと思います。

また、様々な資料を役所から取り寄せ、比較検討する必要がございます。税理士等の専門家にご依頼される方が安心です。

税理士に依頼した場合の計算期間は遺産の種類や量により変わりますので一概には言えませんが、短ければ1ヶ月、長ければ半年程度かかるかと思います。

税理士に依頼されるのであれば、早めに連絡をされる方が良いかと思います。

11.相続税の納付資金確認

相続税の計算が終わりましたら、税金の納付方法を考えなければなりません。

  1. 手元資金・相続預金等で支払える場合

    手元資金で支払える相続人様は、そのままお支払いください。

    また、相続された預金でお支払いを検討されている相続人様は、預金の名義変更が必要になります。(その際は遺産分割協議書等が必要になります。)

    お手続きには1ヶ月程度のお時間を要する場合がございます。早めのお手続きをお勧め致します。

  2. 相続した不動産を売却する場合

    亡くなった被相続人様に預貯金等があまりなく、不動産が多い場合はこの方法による納付を検討する必要があります。相続税の納付期限は10ヶ月以内のため、早めに遺産分割協議を終了させ、売却を検討する必要があります。

    (遺産分割協議前に不動産業者様にお声かけしておくのも一考です)

    また、被相続人様が亡くなってから3年10ヶ月以内に売却する等の要件を満たせば、不動産売却の際に、支払った相続税が経費にできる特例がございます。詳しくは税理士にお尋ねください。

  3. 上記方法でも払える見込みのない場合

    上記の方法でも相続税が払える見込みのない場合は、延納や物納といった方法により納付することになります。

    延納は、数年間にわたって分割して納付する方法です。ただし、利息の支払いが生じ、支払い終わるまで相続した不動産等を担保にしなければなりません。

    物納は、延納でも支払えない場合にとる方法です。具体的には相続税を現金で支払う代わりに、不動産等の現物で支払うのです。しかしながら、手続きが煩雑、不動産価値の低下、上記2の特例等の理由により、現在はあまり頻繁には行われておりません。

上記のような納付方法がありますが、どの相続人様がどの財産を取得するかによって税額や負担額が複雑に変動いたします。
そのため、実務的には遺産分割協議前に、税理士にざっくりとした分割案を伝え、数パターンの分割案・納税額を提示してもらうという方法がよいでしょう。その時間も考えると、早めに税理士等の専門家に依頼することをおすすめ致します。

12.相続税の申告書提出・相続税の納付

被相続人様が亡くなった日から10ヶ月以内に、(1)相続税の申告書を提出し(2)相続税を納付する必要があります。

(1)相続税の申告書提出

申告書には相続人皆様の押印をしていただいた後に税務署に提出します。

なお、各相続人の皆様が別々に提出することも可能ですが、実務的には皆様分を一つにまとめて提出することがほとんどです。

(2)相続税の納付

相続税の納付資金は、各相続人様が自己資金でお支払い下さい。他の方の肩代わりをすると、贈与税がかかる可能性がございますので、ご注意下さい。

13.税務調査

主な相続税の税務調査は、申告書提出期限から半年後~1年後にあることが多いようです。以下は税務調査の一般的な流れです。

(1)税務署から税務調査をする旨の電話があります

税理士に申告書作成を依頼した場合、まず税理士に連絡がきます。

(2)調査当日

原則として税務署員2名が来宅し、通常は1日で終わります。
また、様々な資料をコピー等で税務署に持ち帰ります。

(3)税務署から調査内容の連絡がきます

指摘事項等を検討し、申告是認(お咎めなし)や修正申告書の提出(追加の相続税の納付)等を行います。その後に調査終了となります。

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