路線価図の見方について教えてください

質問

私は、税理士事務所に勤務している勤務税理士です。
今までは、大手の会計事務所に勤務し、中小企業の会社決算を担当してきました。

ですが、先日転職し、10人程度の規模の会計事務所に転職しました。

そこでは、所長の税理士先生の方針で、色々な業務を担当させてもらえるので、大変ありがたいのですが、ひとつ困ることがあります。
それは、相続税の計算です。

先日、所長先生から、
「この土地の計算をお願いするよ」

と言われ、住宅地図にマルをして渡されました。

私は、今まで相続税の計算をしたことがありません。
土地は路線価で計算するということは分かるのですが、路線価の調べ方、路線価図の見方について、教えてもらえませんか?

回答

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税理士 石橋將年(いしばしまさとし)

ご質問ありがとうございます。

相続税を計算する際は、土地がいくらになるかが、とても大切になってきます。
(この、土地の金額を計算することを、「土地を評価する」といいます)

ところで、土地の評価方法は、路線価方式と倍率方式とに分かれます。
(都心部では、ほとんどが路線価方式により評価することになります)

路線価が記載されている地図が、「路線価図(ろせんかず)」と呼ばれるものです。
路線価図の基本的な見方について、ご説明していきましょう。

 なお、路線価図の見方については、下記のページもご参考にしてみてください。

間違えやすい相続税の土地評価(1)「土地評価とは何か?」

 

相続税理士による実務アドバイス

路線価図の、どこを見れば良いのか?

土地の計算方法は、大きく分けて、次の2つになります。

  1. 路線価方式
  2. 倍率方式

都心部では、主に路線価方式により土地を評価します。
路線価方式の計算方法は、ざっくり言うと、つぎのようになります。

「路線価×面積=土地の評価額」

ですので、路線価を調べることは、とても大切です。
路線価を間違うと、税金が少ない!と、税務署に怒られてしまいますから。

 たまに路線価を間違われている税理士先生の書類を見ることがあります。間違いは実際にあるのです・・・。

 

路線価図は、つぎの国税庁のホームページから見ることができます。

「路線価図・評価倍率表(国税庁ホームページ)」

ここの真ん中あたりに、
「平成**年分(最新)」

とあります。

路線価は、亡くなった年で計算しますので、平成28年にお亡くなり方の相続税を計算する場合は、「平成28年分」をクリックします・・・。

 路線価図は、毎年、7月1日前後に発表されます。ですので、年の前半に亡くなった方の計算をする際は、7月まで待たなければなりません。

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ですが、少し待ってください。
よく見ると、その下に、「正誤表」とあります。

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「正誤表」とは、その名の通り、最初に発表した路線価図が間違っていたから、修正しました、という表なんですね。
ですので、ここをチェックして、ご自分が調べようとしている地域が、正誤表の対象地域でないか、チェックしてください。

なお、正誤表を確認しないでミスした場合、税理士や会計事務所の責任になりますので、ご注意ください。

 正誤表を後から発表した税務署が悪い、と訴えた方がいらっしゃったそうです。ですが、正誤表を確認しない方が悪い、と判断されたそうです。気をつけましょう。

平成28年分をクリックしたらつぎに対象地域をクリックします。

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そして、路線価図をクリックします。

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なお、ここには、路線価評価以外の、色々な資産の評価が書いてありますが、ここでは関係ありませんので、省略します。

そして、「路線価図」をクリックして、ご自身の調べたい地域をクリックすると、つぎの画面が表示されます。

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この赤丸で囲んだ場所(東京都議会議事堂)を評価するとします。

路線価方式で土地を評価する際は、その土地の面している道路に書かれている金額(路線価)をもとに計算します。
例えば、東京都議会議事堂の面積が500㎡(平米)だとすると、

「3,430千円×500㎡=1,715,000,000円」

となります。
スゴイ金額ですね(_)

ところで、この路線価には、なにやら色々な記号が付いています。
(Aという記号や、六角形の記号も付いています)

これらは、何に使うのでしょうか?

路線価図の上の欄をご覧ください。

土地評価(路線価)(5).PNG

土地を計算する際は、路線価をスタートとして、色々な補正率がかけられます。
例えば、

  • 大きすぎる土地は使いにくいから減点
  • 奥行きが長すぎる土地も使いにくいから減点

といった具合にです。
(他にも、たくさんの項目があります)

ですが、土地が大きすぎるか、奥行きが長すぎるかは、その地域ごとによって違いますよね。
例えば、新宿都庁があるような地域は、土地が大きくないと使いづらいですよね。

ですので、税務署は、
「土地を地域ごとに区分して、その区分ごとの補正率を使って計算しなさい」

と決めたのです。

その区分が、路線価図の上に書いてあるのです。

 補正率は、つぎのページをご覧ください。

「奥行価格補正率表(国税庁ホームページ)」

道路の記号は六角形です。
六角形は、左上を見ると「ビル街地区」とあります。

ですので、土地の補正率は「ビル街地区」のものを使うことになります。

また、右上に「借地権割合」とあります。
借地権割合とは、何でしょうか?

借地権とは、「土地を使うことができる権利」です。
例えば、この東京都議会議事堂の土地は、借地権割合が90%ですから、土地を借りた方が9割の権利を持っていることになります。

(あくまで、税金上の話しです)

ですので、この土地の評価額が1億円と計算された場合、土地を借りている方は、

「1億円×90%=9,000万円」

となり、土地を借りている方が、9,000万円の資産(借地権)を持っていることになります。
(逆に、貸している方は1,000万円の資産(底地)しか持っていないことになります)

土地を借りている方の方が(税金上は)資産価値がある。ヘンな話しですが、そのようになっているんですね。

ちなみに、この借地権割合は、都心ほど高くなる傾向になり、地方に行くほど下がります。
(なお、借地権割合の最下限は30%です。それ以下になると、借地権がないものとされます。このご説明は難しいので、また別の記事で解説させて頂きます)

ですので、土地を貸している方、借りている方の土地評価をする際は、アルファベットの記号を読み間違えないようにしてください。

 

路線価図の見方は、だいたい、上記のようになります。

ここからがスタートラインです。
土地の計算・評価はとても奥が深く、一筋縄では行きません。

ですが、計算方法を工夫することによって、土地の金額を下げることもできますので、とてもやり甲斐のある分野です。
計算方法を一通りマスターするのは、とても時間がかかります(最低でも数年間)が、是非、頑張ってみてくださいね!

 

※本記事に関するご質問には、お応えしておりません。予めご了承ください。

 

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