相続の手続きで気をつけること(まず財産目録を作る)

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税理士 石橋將年(いしばしまさとし)

相続のお手続きは、皆様、初めてのこと出来事ですから、色々と大変だと思います。
特にご注意頂きたいポイントについて、ご説明していきたいと思います。

どんな財産があるか一覧表にしてみましょう

例えばですが、ご主人様がお亡くなりになったとしましょう。

お亡くなりになった方が、どんな財産をお持ちだったのか?
それが分かりませんと、財産を分けることができません。

財産の種類が多いようであれば、財産の一覧表を作ってみるとよいでしょう。
これを財産目録(ざいさんもくろく)」といいます。
(財産一覧表、財産リストといった呼び方もあります)

この財産目録、色々なかたちがありますが、最低限、次の情報が必要です。

  • 財産の種類・・・(現金、預金、土地、建物といったように書く)
  • 財産の場所・・・(**銀行の普通預金、**市の土地建物といった具合に書く)
  • 財産の金額・・・(預金残高***円、土地建物の評価額***円)

これらを、一覧表にまとめたものが「財産目録」です。
財産の種類が多い場合は、このような一覧表を作ります。

奥様はご主人様の財産をお分かりになるでしょう。
ですが、就職して、または結婚をされて、家を出られたお子様は、ご主人様の財産の内容を知りません。

遺産分割のお話し合いで大切なことは「財産を数字でお見せすること」です。
(相続人の皆様は、多くの場合、預金の残高、不動産の評価額といった数字で、財産の価値や分け方を考えることと思います)

また、皆様が一度にお集まりになれない場合は、財産目録を郵送するなりして、皆様が情報を共有するようにしてください。

特に、相続税の申告が必要な方は注意が必要です。
10ヶ月(相続税の申告期限)はあっという間に来ますので、ご注意ください。

 

財産目録を作るときに気をつけたいこと

作成した日付を入れること

財産目録は、何度も作り直すことがあります。

財産目録には、最初は大まかな財産、大きな金額の財産のみを書いて、お話し合いをすることが多いです。
そして、細かな財産がでてきたら、その都度、追加で記入するという方法が一般的です。

最初から完全に作ろうと思ったら、それだけ時間がかかってしまいますし、お話し合いもそこでストップしてしまいます。

ですから、代表の方が、「細かな財産はまだ書いていないけれど、大きな財産はもれなくのっています。これでお話し合いをしましょう」、と他の相続人様にお伝えすれば、余計な時間をとられずに、スムーズに遺産分割が進むことでしょう。

そのような方法が一般的ですから、日付を入れて財産目録を作成しましょう(日付をいれませんと、どれが最新のものか分かりませんので)。

証明する書類も準備しておく

財産目録ができあがりました(相続税の申告が必要な場合は、税理士が作成することが多いです)。

ですが、相続人のお一人が、「この財産目録にのっている財産の金額は、本当に合っているの?」、とお聞きになるかもしれません。

そのようなお疑いがないよう、財産の内容を証明する資料もご準備しておくと良いかもしれません。
例えばですが・・・

  • 銀行預金・・・銀行からの残高証明書、過去の預金通帳
  • 上場株式・・・証券会社からの残高証明書、取引記録
  • 不動産・・・お亡くなりになった方の固定資産税納税通知書
  • 前回の遺産分割協議書や相続税申告書(あれば)

銀行預金については、残高証明書だけでなく、過去の通帳もあった方がよいでしょう。
というのも、あまりご信頼関係のない相続人様同士ですと、「預金を引き出して使って勝手に使っていないか?」、とお疑いになる方もいらっしゃるからです。

上場株式も同じ理由で、残高証明書だけでなく、取引記録もあった方がよいでしょう。

不動産については、固定資産税の納税通知書があるとよいでしょう。
これには、お亡くなりになった方が持っていた不動産が、原則として全てのっておりますし、固定資産税評価額も書かれていますから、不動産評価の一定の目安になるでしょう。

また、お亡くなりになった方が、以前、相続で財産をもらっていれば、前回の遺産分割協議書や相続税申告書があると思います。
それがあると、なお良いでしょう(今回の相続の参考になります)。

 

お亡くなりになった方の財産について、皆様でお話し合いされるとき、財産目録があると便利ですし、あらぬ疑いもなくなると思います。
(今はインターネットで検索しますと、色々な財産目録の書式がでてきますから、それらを参考にしても良いかと思います)

ぜひ、円満なお話し合いになるよう、財産目録の作成をおすすめ致します。

※本記事に関するご質問には、お応えしておりません。予めご了承ください。